ダイナースクラブ プレミアムカードというクレジットカードがあります。
ダイナースクラブ プレミアムカードは、ダイナースプレミアムや黒茄子と呼ばれており、上質なサービスとステータスを兼ね備えた、ダイナースクラブの招待制カードです。
長年にわたり、ダイナースクラブの最上位ステータスを誇るブラックカードとして君臨していましたが、2021年6月に「ダイナースクラブ ロイヤルプレミアムカード」という「ダイナースプレミアム」のさらに上のカードの存在が明らかになったため、現在はダイナースクラブの最上位カードではなくなりました。
ただ、ダイナースプレミアムは現在もブラックカードという位置づけであり、高ステータスカードであることに変わりはありません。銀座の一等地にあるダイナースクラブ 銀座プレミアムラウンジも利用できるようになります。
そんなブラックカードであるダイナースプレミアムのインビテーションが、私のところにも届いたので、実体験から見えたインビテーションの条件を徹底的に解説したいと思います。
目次
ダイナースプレミアムのインビテーションが届く時期
クレジットカードによっては、インビテーションが届く時期が決まっている場合があります。例えば、JCBのブラックカードであるJCBザ・クラスのインビテーションの場合は、毎年11月~12月頃にインビテーションが配布されます。
ダイナースプレミアムの場合は、特にインビテーションが届く時期は決まっていません。条件を満たせばいつでも届く可能性があります。
現在のインビテーションの条件は、個人的な見解も含みますが以下の7つだと思っています。特に私が使った感覚だけでいうと、赤字の4つが大きく該当しているイメージです。
- 27歳以上であること
- 属性(年収・勤続年数など)が良いこと
- 支払いの遅延(延滞・滞納)がないこと
- ダイナースクラブカードの保有歴
- 決済金額
- 決済回数
- 利用先加盟店(利用用途)
上記についてそれぞれ解説していきます。
27歳以上であること
通常のダイナース クラブカードは、27歳から申し込み可能なカードなので、必然的にダイナース クラブカードの保有者は27歳以上です。
そのため最短でインビテーションを受け取れたとしても、27歳以上ということになります。
属性(年収・勤続年数など)が良いこと
属性とは、年齢、勤続年数、年収、雇用形態、勤務先状況、個人信用情報などのことです。住宅ローン審査などでは、さらに健康状態なども重要視されます。
ダイナースクラブカードは、数あるクレジットカードの中でも特に属性を大事にする傾向の強いカードです。そのため、以前は会社経営者、上場会社役員、医師、弁護士、公認会計士といった社会的ステータスの高い人以外は入会するのが難しいカードでした。
現在では会社員(サラリーマン)でもクレヒスが良好であればインビテーションは届きます。
ただ、会社員と一言でいっても「上場企業勤務で高年収、持ち家あり」と「非上場企業で低年収、持ち家なし」を比較すると前者の方が大きなアドバンテージがあります。
属性は、無数にパターンが存在することから複合的に判断されるため、この属性ならインビテーションが届くとは一概に言えません。
私の例でいえば「非上場企業で持ち家なし」でもインビテーションは届きました。
支払いの遅延(延滞・滞納)がないこと
支払いの遅延(延滞・滞納)がないことは、当然の条件です。
1度の遅延であれば大目に見てくれる可能性はあるかもしれませんが、頻繁に支払いが滞る場合は、完全にアウトです。
あまりに酷いと永久にダイナースプレミアムを保有できなくなる可能性もあります。
ダイナースプレミアムのインビテーションに同封されていた手紙には「ダイナースクラブ プレミアムカードは、ダイナースクラブ会員の中でも限られた方だけをお迎えする特別なカードです。(一部省略)本物の価値を熟知され、第一線でご活躍されるあなた様にこそふさわしいカードです。」と記載されています。
上記の手紙の通りダイナースプレミアムは特別なカードであるため、審査元の三井住友トラストクラブとしても信頼できる人に発行したいと考えるのが普通です。これは、ダイナースプレミアムに限らずインビテーション制のカード全てにいえることです。
ダイナースクラブカードの保有歴(保有年数)
ダイナースクラブカードの保有歴はインビテーション条件の一つといえます。
自然にインビテーションが届くのを待つなら保有してから1年が基準になってくると思います。突撃するにしても、3ヶ月程度は保有する必要はあります。
私の場合、突撃するつもりはなかったのですが結果的に突撃になりました。その時の保有歴は8ヵ月(厳密には7ヵ月後半)でした。
※突撃については後述します。
決済金額(利用金額)
決済金額は、間違いなくインビテーション条件の1つです。
理由としては高額決済してくれる顧客は、クレジットカード会社に直接利益をもたらしてくれる存在だからです。カード会社としても高額決済してくれる顧客は手放したくないでしょう。
ただし、単純に高額決済するよりも、毎月コンスタントに利用する方が良いです。例えば1ヶ月で360万円を使うのと毎月30万円ずつ使うのなら、毎月30万円ずつ使う方がインビテーションが届く可能性が高まります。
私が実際にインビテーションを受け取った時の決済金額は以下の通りでした。
- 2021年(合計):1,898,126円
ちなみに私の決済額を月単位の明細にすると以下の通りになります(サブはコンパニオンカード、ETCはETCカードの決済金額)。
支払月 | 合計 | 内訳 | ||
---|---|---|---|---|
メイン | サブ | ETC | ||
4月 | 207,840円 | 193,432円 | 144,08円 | 0円 |
5月 | 234,364円 | 220,434円 | 2,000円 | 11,930円 |
6月 | 294,025円 | 281,895円 | 3,000円 | 9,130円 |
7月 | 163,951円 | 158,471円 | 2,000円 | 3,480円 |
8月 | 150,157円 | 128,311円 | 17,826円 | 4,020円 |
9月 | 85,845円 | 81,805円 | 2,000円 | 2,040円 |
10月 | 318,659円 | 304,129円 | 10,740円 | 3,790円 |
11月 | 443,285円 | 435,295円 | 2,000円 | 5,990円 |
月あたりの平均利用金額は、237,265円でした。
決済回数(利用回数)
決済回数もおそらくインビテーション条件の1つですが、ダイナースに限って言えば、重要性は低いと思っています。決済回数よりも後述する利用用途の方が重要性が高いと思われます。
決済回数が多いと必然的に店頭などでダイナースクラブカードの露出が増えるためダイナースの広告塔として間接的にダイナースに利益をもたらす可能性があります。
また、決済回数が多いということはダイナースクラブカードをメインカードとして利用している可能性が高く、三井住友トラストクラブからの評価も高くなるはずです。
家族がいるなら家族カードを発行して決済回数を増やすという方法でもよいと思います。
私が実際にインビテーションを受け取った時の決済回数は以下の通りでした。
- 2021年(合計):348口
決済回数を月単位の明細にすると以下の通りになります(サブはコンパニオンカード、ETCはETCカードの決済回数)。
支払月 | 合計 | 内訳 | ||
---|---|---|---|---|
メイン | サブ | ETC | ||
4月 | 18 | 17 | 1 | 0 |
5月 | 54 | 41 | 1 | 12 |
6月 | 51 | 40 | 1 | 10 |
7月 | 30 | 25 | 1 | 4 |
8月 | 37 | 32 | 2 | 3 |
9月 | 27 | 25 | 1 | 1 |
10月 | 67 | 62 | 1 | 4 |
11月 | 64 | 57 | 1 | 6 |
月あたりの平均利用回数は、43口です。
利用先加盟店(利用用途)
利用先加盟店(利用用途)もインビテーション条件の一つだと思います。
個人的な感覚では重要性の高い項目です。
通常であれば、固定費の引落しは、毎月コンスタントに引き落とされるものなので何らかのアドバンテージが期待できそうです。ただ、ダイナースの場合はあまり関係ないと思われます。
電気料金・ガス料金・水道料金・固定電話・携帯電話・PHS・放送料金(NHK・衛星放送・ケーブルテレビ)・新聞購読料・プロバイダー・国民年金保険料・家賃
私の例だと固定費には一切利用していません。主に外食、ホテル、ネットショッピング、ETCでしか利用しておらず、コンビニなどでの支払いも全て別のカードで決済していました。
ダイナースクラブカードは、T&Eカード(トラベル&エンターテインメント)に分類されるカードであることから、以下のような用途・場所での利用は評価されると思われます。
- トラベル(旅行・ホテル・航空機)
- グルメ(高級料亭や各種飲食店)
- 海外での利用
私の場合は、決済額の3分の1が外食費とホテル宿泊費で、海外での利用はゼロでした。
なお、以下の利用分については、リワードポイント加算の対象外なので、高額利用しても評価されないため注意してください。
ダイナースクラブカード
- Edyチャージ
- JR東日本モバイルSuica
ダイナースクラブ コンパニオンカード
- Edyチャージ
- JR東日本モバイルSuica
- モバイルPASMO
- ICOCA
- 国民年金保険料
- 三井住友カードが発行するプリペイドカードへのチャージ
ダイナースプレミアムを最短で取得する方法
ダイナースプレミアムを取得する場合は、インビテーション経由で入会するのが一番スタンダードな方法です。ただし、インビテーション不要で取得するルートも複数存在します。
ここでは、インビテーション不要で取得する方法について解説します。
有名な方法は以下の3つです。
- 医師:医療従事者向けサイト「m3.com」経由の申込み
- 会員:突撃(ダイナースクラブへの直接交渉)
- 非会員:ダイナースプレミアム保有者からの紹介
それぞれ個別に解説します。
医療従事者向けサイト「m3.com」経由の申込み
医師会員限定で医療従事者向けサイト「m3.com」からダイナースクラブ プレミアムカード(ANAダイナース プレミアムカード)に直接申し込みできます。
ただし、新規入会者限定なので通常のダイナースクラブカードを既に保有している人は対象外です。
突撃(ダイナースクラブへの直接交渉)
突撃というダイナースクラブに直接交渉する方法があります。
原則突撃できるのは、通常のダイナースクラブカードを保有している会員が対象です。
JCBザ・クラスのように突撃を一切受け付けてくれないカードもありますが、ダイナースプレミアムの場合、突撃は有効です。ただし、交渉するにあたっては、それなりの決済金額と保有期間は必要です。
私の場合、限度額の確認で問い合わせした時に話の流れで突撃という形になりました。その時のオペレーターとのやり取りは以下の通りです。
私「明日〇〇円程度の利用を予定しているのですが限度額は大丈夫でしょうか?」
オペレーター「お調べ致しますのでしばらくお待ちください・・・(保留)。お待たせいたしました。問題ありませんのでご安心してご利用ください。」
私「ありがとうございます。」
オペレーター「他に何かご質問などございますでしょうか?」
私「ダイナースプレミアムのインビテーションってカードを1年ぐらい保有しないとこないですかね?」
オペレーター「ダイナースプレミアムの入会基準は非公開となっているためご回答できかねます。ご興味ございますでしょうか?」
私「そうですね。興味はあります。」
オペレーター「ありがとうございます。担当の者に確認させていただいてもよろしいでしょうか?もしよろしければ、そのまま入会審査を行いカードを発行させていただくこともできます。いかがでしょうか?」
私「もし入会基準を満たしてそうならインビテーションを送っていただくことは可能でしょうか?」
オペレータ「はい。大丈夫です。そうしましたら担当の者に確認後、改めてご連絡させていただきます。」
私「承知しました。引き続きよろしくお願いします。」
(4日後)
オペレーター「先日のダイナースプレミアムの件ですが、担当の者に確認したところ、ぜひご入会いただきたいとのことです。〇〇日(電話した日)にインビテーションを送付させていただきました。お手元に届いていますでしょうか?」
私「ご連絡ありがとうございます。まだ届いておりません(その日帰宅したら届いてました)。」
オペレーター「おそらく本日中には到着すると思われますので、ぜひご確認ください。このままお電話で入会の受付を行うこともできますがいかがでしょうか?」
私「ありがとうございます。ぜひ確認させていただきます。入会の受付につきましては、インビテーションの内容を確認のうえ、改めてこちらからお電話差し上げます。」
オペレーター「承知いたしました。お電話お待ちしております。」
上記のような流れで結果的に突撃で取得するような形になりました。本当は突撃なしで、どのぐらいでインビテーションが届くか確認したかったのですが、こればかりは仕方ないですね。
私の場合、紹介者経由でいきなりダイナースプレミアムを手に入れることもできたのですが、インビテーションが欲しかったのでわざわざ通常のダイナースからスタートしました。電話でダイナースプレミアムの入会を勧められた時は少しドキッとしましたが、結果的にインビテーションをもらえたので良かったです。
ダイナースプレミアム保有者からの紹介
ダイナースプレミアム保有者からの紹介・推薦で直接ダイナースプレミアムに申込めます。
ただし、既に通常のダイナースクラブカードを保有している人を紹介することはできません。場合によっては柔軟に対応してもらえる可能性はありますが原則NGです。通常のダイナースクラブカードを保有している場合は、前述の突撃を利用してください。
27歳以上の新規入会者(直近2年以内にダイナースクラブカードを保有していない場合)は、ダイナースプレミアム保有者から紹介・推薦をしてもらうことは可能です。ただ、必ず審査に通るとは限りません。
まとめ
ダイナースプレミアムは、原則招待されなければ取得できないブラックカードです。
取得できればそれなりのステータス証明になりますが、年会費が165,000円(税込)なので、ある程度の年収がなければカードを維持することはできません。
私の例でいうとインビテーションが届いた時点でダイナースに申請していた情報は以下の通りになります。
- 年収:1,000万円以上
- 勤務先:非上場の中小企業(かなり小さい会社)
- 世帯:3人家族(夫婦+子共1人)
- 持ち家:なし(賃貸)
ダイナースプレミアムは、本気で取得を目指せば1年以内に取得できます。
場合によっては、インビテーションなしで取得できるため、完全招待制で突撃不可のJCBザ・クラスなどと比較すると取得難易度は低めです。
ダイナースプレミアムを目指すなら、三井住友トラストクラブから信頼される顧客になることが必須です。そのため、まずは通常のダイナースクラブカードを保有してクレヒスを積み上げていきましょう。