ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス・カード(以下、ヒルトンアメックスカード)というカードがあります。
ヒルトンアメックスカードは、アメリカン・エキスプレス・インターナショナル・インコーポレイテッド(American Express International, Inc.)がヒルトンと提携して発行しているクレジットカードです。そのため、ヒルトンに宿泊する場合に圧倒的にお得なカードになっています。
ヒルトンは、世界的に有名なホテルチェーンの一つで、ウォルドーフ・アストリアやコンラッド・ホテルなど有名な高級ホテルが名を連ねています。
アメックスの審査は、通称10秒審査と言われており一瞬(10~60秒)で結果が出ます。以下は、私が実際にヒルトンアメックスカードに申し込んでから届くまでの記事です(記事内で申し込んでいるカードは、ヒルトンアメックスプレミアムカードですが、通常のヒルトンアメックスカードも基本的には同じ流れです)。
この記事では、ヒルトンアメックスカードのメリット・デメリット・特徴・特典について解説します。
目次
ヒルトンアメックスカードの基本情報
カード名 | ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス・カード |
---|---|
カードデザイン | |
発行会社 | American Express International, Inc. |
年会費 | 16,500円(税込) |
入会条件 | 原則として20歳以上の定職に就いている方 ※パート・アルバイトの方は申込不可 |
家族カード | 1枚目無料 ※2枚目以降6,600円(税込) |
ETCカード | 年会費無料 新規発行手数料は1枚につき935円(税込) カード会員は1人につき5枚まで 家族カード会員は1人につき1枚まで |
国際ブランド | American Express |
電子マネー | Apple Pay、タッチ決済 |
ポイント | ヒルトン・オナーズ・ボーナスポイント |
ポイント有効期限 | ポイント獲得月から15ヵ月(1年3ヶ月) ※ポイントの獲得または利用で延長 |
ポイント付与率 | 2.0% ※100円(税込)ごとに2ポイント |
締め日/支払日 | 登録金融機関により異なる |
海外旅行傷害保険 | 最高3,000万円(利用付帯) |
国内旅行傷害保険 | 最高2,000万円(利用付帯) |
ショッピング保険 | 最高200万円 |
アメックス共通の優待・特典・サービス
ヒルトンアメックスカードは、以下のアメックス共通の優待・特典・サービスをうけられます。
- Apple Pay・タッチ決済が使える
- 強固なセキュリティ
- 不正プロテクション
- 本人認証サービス「American Express SafeKey®」
- オンライン・プロテクション
- 共通の付帯保険
- ショッピング・プロテクション(年間最高200万円)
- ETCカード
- JR東海エクスプレス予約サービス(プラスEX会員)を利用可能
- 海外旅行先での日本語サポート(グローバル・ホットライン)
- HIS アメリカン・エキスプレス・トラベル・デスクを利用可能
- 空港ラウンジ無料(同伴者1名OK)
- 手荷物無料宅配サービス(スーツケース1個まで配送無料)
- 大型手荷物宅配優待特典(大型手荷物1,000円割引)
- 空港パーキング(空港周辺の駐車場に優待価格で駐車可能)
- 空港クロークサービス(荷物2個まで無料預り)
- 海外用レンタル携帯電話(レンタル料半額、通話料10%OFF)
- レンタカーの国内利用(基本料金から5%OFF)
- ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでの優待(特別なVIPツアーに参加可能など)
アメックス共通の優待・特典・サービスについては以下の記事にまとめています。利用可能な空港ラウンジについても解説しています。
ヒルトンアメックスカードの年会費
ヒルトンアメックスカードの年会費は以下の通りです。
- 本会員:16,500円(税込)
- 家族カード:6,600円(税込)※1枚目無料
家族カードの利用分は本会員のヒルトン・オナーズ・ボーナスポイントとして加算されます。
ヒルトン・オナーズ・ゴールドステータスを無条件で獲得できるカードとしては、年会費最安です。ヒルトンに頻繁に行くのであれば、年会費相当は容易に回収できます。
ヒルトンアメックスカード独自特典
ヒルトンアメックスカードの独自特典は以下の3つです。
- ヒルトン・オナーズ・ゴールドステータスを無条件で取得
- カード利用と継続で「ウィークエンド無料宿泊」を1泊プレゼント
- ヒルトン・プレミアムクラブ・ジャパン(HPCJ)年会費の優待
ヒルトンの提携カードだけあって、ヒルトンの特典が充実しています。一方でヒルトンを利用しないのであれば、持つ必要のないカードともいえます。
それぞれの特典を個別に解説します。
ヒルトン・オナーズ・ゴールドステータスを無条件で取得
通常、年間20回滞在または40泊しなければ付与されない「ゴールド」会員資格をヒルトンアメックスカードなら保有するだけで取得できます。
ヒルトン・オナーズでのゴールド会員の位置づけは以下の通りです。
会員ランク | 会員資格の獲得条件 ※いずれかの条件を満たせばOK |
---|---|
メンバー | 入会後すぐ |
シルバー | 1年間に4回滞在 or 10泊、または 1暦年間に25,000ベースポイントの獲得 |
ゴールド | 1年間に20回滞在 or 40泊、または 1暦年間に75,000ベースポイントの獲得 |
ダイヤモンド | 1年間に30回滞在 or 60泊、または 1暦年間に120,000ベースポイントの獲得 |
ヒルトン・オナーズの会員特典については以下の記事で解説しています。
ヒルトンアメックスカードを保有していれば永遠に「ゴールド」会員の特典をうけられます。
ゴールド会員の主な特典は以下の通りです(特典は、原則ヒルトンの公式サイトから予約した場合のみ適用されます)。
- 80%のボーナスポイントの加算
- 部屋のアップグレード(エグゼクティブルームまで)
- 朝食無料サービス
- 無制限のマイルストーンボーナス
特に「部屋のアップグレード」と「朝食無料サービス」の効果は絶大です。
部屋のアップグレーとはスイートこそ対象外ですがアップグレードされれば、1万円以上お得になることは多々あります。
朝食無料サービスは、会員本人だけでなく同室の宿泊者1名も無料になります。ヒルトンでの朝食は、ホテルによって異なりますが1人あたり1,500円以上です。ヒルトン東京を例にすると1名につき4,200円(2023年9月時点)なので2名だと8,400円お得になります(朝食無料の代わりに1,000ヒルトン・オナーズ・ボーナスポイントを選択することも可能です)。
ヒルトン東京では一番安い「ヒルトンルーム」から「エグゼクティブ キングルーム」に、ヒルトン東京ベイでは「セレブリオ」から「セレブリオセレクト」にアップグレードしてもらえました。
私の場合は、過去を遡ってもアップグレードしてもらえなかったのは、わずか数回です。ホテルにもよりますが、2~3回以上アップグレードしてもらえれば、年会費相当は回収できると思います。
特典として提供される朝食はコンチネンタル・ブレックファスト(火の通らない冷たいメニューとパン類、ジュース、コーヒー、紅茶を組み合わせた朝食)とされていますが、通常レストランで提供される通常メニューを食べられます。
カード利用と継続で「ウィークエンド無料宿泊」を1泊プレゼント
カードの入会日・切替日から毎年1年間中に以下の条件を達成すると「ウィークエンド無料宿泊」が1泊プレゼントされます。
- 合計150万円以上利用のうえ、カードを継続
ウィークエンド無料宿泊特典は、基本カード会員のみ利用でき、スタンダードルームに空室がある場合に2名1室分として利用できます。
特典発行から1年間有効とし、金、土もしくは日曜日の夜、いずれか1泊に利用できます。月~木曜日の宿泊には利用できません。
ヒルトン・プレミアムクラブ・ジャパン(HPCJ)年会費の優待
ヒルトン・プレミアムクラブ・ジャパン(HPCJ)は、日本国内17ホテルと韓国2ホテルで、以下の特典をうけられるプログラムです。
- 宿泊25%割引
- レストラン最大20%割引
- 5,000円割引券2枚(計10,000円分)プレゼント
- 初年度オナーズ・シルバー会員資格進呈
ヒルトンアメックスカードは、カードを保有するだけでゴールド会員になれるため「初年度オナーズ・シルバー会員資格進呈」の特典は無意味です(※家族カード会員は除く)。
通常、HPCJの年会費は25,000円(税込)ですが、ヒルトンアメックスカードの基本カード会員ならびに家族カード会員は、以下の年会費で利用できます。
- 初年度10,000円(税込)
※2年目以降もHPCJ会員資格の有効期限までに手続きすれば、10,000円(税込)で更新できます。
HPCJの特典にある「5,000円割引券2枚(計10,000円分)プレゼント」で年会費10,000円(税込)を相殺できることから、実質年会費無料といえます。
個人的には、ヒルトンを年1回以上利用するのであれば入会をおすすめします。
公式サイト ヒルトン・プレミアムクラブ・ジャパン
ヒルトン・オナーズ・ボーナスポイント
ヒルトン・オナーズ・ボーナスポイントは、ヒルトンアメックスカードの利用やヒルトン・ポートフォリオ内のホテルやリゾートでの宿泊などで貯まります。
ヒルトンアメックスカードを利用した場合のポイント付与率は以下の通りです。
- 日常の買い物での利用
- 100円=2ヒルトン・オナーズ・ボーナスポイント(還元率2%)
- ヒルトン・ポートフォリオ内のホテルやリゾートで利用
- 100円=3ヒルトン・オナーズ・ボーナスポイント(還元率3%)
ヒルトン・ポートフォリオ内のホテルやリゾートであれば、宿泊だけでなくレストランなどの施設でも直接ホテルに支払えば還元率3%です。
なお、宿泊の場合は、カードとは別に1米ドルにつき10ヒルトン・オナーズ・ベースポイントたまります(例外として、「ホーム2スイーツbyヒルトン」と「トゥルーbyヒルトン」では、支払金額1米ドルにつき5ヒルトン・オナーズ・ベースポイントの獲得)。
ホテル宿泊の場合は、会員ステータスに応じてボーナスポイントが加算されるので上級会員であればあるほどポイントが貯まります。
会員ステータス | 1米ドルあたりの ヒルトン・オナーズ・ベースポイント |
---|---|
メンバー | 10ポイント |
シルバー | 12ポイント(+20%) |
ゴールド | 18ポイント(+80%) |
ダイヤモンド | 20ポイント(+100%) |
ヒルトンアメックスカード会員は、無条件で「ゴールド会員資格」を獲得できるので、1米ドルにつき18ヒルトン・オナーズ・ベースポイントたまります。
なお、ヒルトンアメックスカードで貯まったポイントは、月に1度自動的にカード会員本人のヒルトン・オナーズのアカウントに加算されます。
ポイント加算対象外の加盟店
ポイント加算対象外の加盟店は以下の通りです。
- 放送局
- NHK
- 電子マネー
- 楽天Edy
- モバイルSuica
- SMART ICOCA
- モバイルPASMO
- 寄付団体
- 国境なき医師団
- 国際連合食糧計画WFP協会
- 国連UNHCR協会
- セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
- 日本赤十字社
- 日本ユニセフ協会
- プラン・インターナショナル
- ワールド・ビジョン・ジャパン
200円=2ヒルトン・オナーズ・ボーナスポイントで換算される加盟店
200円=2ヒルトン・オナーズ・ボーナスポイントで換算される加盟店は以下の通りです。
- 電力会社
- 北海道電力
- 東北電力
- 東京電力エナジーパートナー
- 中部電力
- 関西電力
- 中国電力
- 九州電力
- 沖縄電力
- 北陸電力
- 四国電力
- ガス会社
- 北海道ガス
- 仙台市ガス局
- 東部ガス
- 北陸ガス
- 日本海ガス
- 東彩ガス
- 武州ガス
- 京葉ガス
- 大多喜ガス
- 東京ガス
- 長野都市ガス
- 静岡ガス
- 東邦ガス
- 大津市企業局
- 大阪ガス
- 河内長野ガス
- 広島ガス
- 岡山ガス
- 山口合同ガス
- 四国ガス
- 西部ガス
- 日本ガス(鹿児島市)
- 水道局
- 札幌市水道局
- 水戸市水道局
- 東京都水道局
- 多摩地区都営水道
- 武蔵野市水道部
- 横浜市水道局
- 小松市水道料金
- 甲府市上下水道局
- 名古屋市上下水道局
- 浜松市上下水道局
- 大津市企業局
- 桑名市上下水道部
- 京都市上下水道局
- 大阪市水道局
- 神戸市水道局
- 猪名川市水道料金
- 尼崎市水道局
- 福岡市水道局
- 新宮市上下水道
- 長崎市上下水道局
- 税金
- 国税
- 都道府県税など
- 公金
- 国民年金保険料
- 特許申請料
- Yahoo!公金支払い
- 決済手段
- Amazon Pay
- au PAY残高
- WebMoneyプリペイドカード
- d払い(QRコード、バーコード決済分)
- その他
- 病院
- Yahoo!toto
- 郵便窓口/Webゆうびん
- 株式会社シーユーシー
公式サイト 加算対象外・100円=1ポイントとして換算されない加盟店
ヒルトン・オナーズ・ボーナスポイントの有効期限
ヒルトン・オナーズ・ボーナスポイントの有効期限は15ヵ月(1年3ヶ月)です。
ただし、ヒルトン・オナーズ・ボーナスポイントは、有効期限内に1度でも獲得またはポイント交換を行えばさらに有効期限が15ヵ月延長されます。
そのため、常にカードを利用していればポイントが失効することはありません。つまり実質無期限といえます。
付帯保険
ヒルトンアメックスカードは、以下の保険が付帯しています。
- 海外旅行傷害保険
- 国内旅行傷害保険
各保険について解説します。
海外旅行傷害保険
ヒルトンアメックスカードの海外旅行傷害保険は、利用付帯です。利用付帯は、カードを利用することによってはじめて保険が適用される保険です(例:事前に旅行代金を対象カードで支払うなど)。
アメリカン・エキスプレスの旅行傷害保険は、カード会員本人のほかに家族も補償をうけられます。補償対象者は、配偶者およびカード会員と生計を共にする子供・両親などの親族です。親族とは、6親等以内の血族、3親等以内の姻族です。
本会員以外に損害が発生した場合に、家族の損害も補償してくれるのはありがたいです。特に家族カードを持たせることができない18歳未満のお子さんをお持ちの場合は、実用的かつ効果的です。
海外の医療費は、日本より高額なので海外旅行に行く場合は、海外旅行傷害保険が付帯したクレジットカードを1枚持って行くだけで安心感が全然違います。補償期間は、1旅行につき最長3ヵ月(90日)間まで補償してくれるので、長期間の旅行でも安心です。
<海外旅行傷害保険の詳細>
担保項目 | 保険金額 | |
---|---|---|
本会員 | 本会員の家族 | |
傷害死亡・後遺障害 | 最高3,000万円 | 最高1,000万円 |
傷害治療費用 | 最高100万円 | |
疾病治療費用 | 最高100万円 | |
賠償責任 | 最高3,000万円 | |
携行品損害 ※免責3,000円 | 1旅行中 最高30万円 | |
救援者費用 | 保険期間中 最高200万円 |
国内旅行傷害保険
ヒルトンアメックスカードの国内旅行傷害保険は、利用付帯です。
国内旅行傷害保険では、公共交通機関を利用中の傷害事故、宿泊施設に宿泊中の火災・破裂・爆発による傷害事故、宿泊を伴う募集型企画旅行に参加中の傷害事故について補償してくれます。
海外旅行傷害保険と同じでカード会員の家族も補償対象です。
<国内旅行傷害保険の詳細>
担保項目 | 保険金額 | |
---|---|---|
本会員 | 本会員の家族 | |
傷害死亡・後遺障害 | 最高2,000万円 | 最高1,000万円 |
ヒルトンアメックスカードのデメリット
年会費が高額
ヒルトンアメックスカードの年会費は16,500円(税込)と高額ですが、ヒルトン・オナーズのゴールド会員に無条件になることができ、150万円以上のカード利用と継続でウィークエンド無料宿泊特典のプレゼントもあります。
150万円以上のカード利用という条件はありますが、ウィークエンド無料宿泊特典を利用すれば、それだけで年会費相当以上を回収できます。
さらにゴールド会員特典もうけられるので、ヒルトン・ポートフォリオ内のホテルやリゾートに頻繁に宿泊するなら、余裕で年会費以上の恩恵をうけられます。
- 80%のボーナスポイントの加算
- 部屋のアップグレード(エグゼクティブルームまで)
- 朝食無料サービス
- 無制限のマイルストーンボーナス
ヒルトンアメックスカードのまとめ
ヒルトンアメックスカードは、ヒルトン・オナーズの最上級資格である「ヒルトン・オナーズ・ダイヤモンド」を目指す場合におすすめです。
入会キャンペーンも頻繁に実施しているので、入会後に条件を満たせば大量のヒルトン・オナーズ・ボーナスポイントを取得できます。通常の入会特典もお得ですが、紹介プログラム経由ならにさらにお得に入会できます。
いきなりゴールド会員を取得できるのは大きなアドバンテージです。ただし、家族カードの作成はおすすめしません。家族カード会員は年会費6,600円(税込)と高くはないものの「ゴールド」会員資格の進呈がありません。
家族カード会員もゴールドステータスの資格を取得したいのであれば、別途16,500円(税込)を支払って本会員としてカードを作成した方がお得です。そうすれば2名ともゴールド会員になれます。
もしくは、アメックスのプラチナ・カードを作成するという方法もあります。
アメックスのプラチナ・カードでは、以下のホテルの上級会員を取得できます。
- ヒルトン・オナーズ:ゴールド会員
- Marriott Bonvoy:ゴールドエリート
- Radisson Rewards:プレミアム
- SEIBU PRINCE CLUB:プラチナメンバー
年会費は、165,000円(税込)と高額ですが、家族カードが4枚まで無料で発行できますし、家族カード会員も全員がホテルの上級会員になれます(SEIBU PRINCE CLUBは除く)。
ヒルトン・オナーズの上級会員を目指すだけならヒルトンアメックスカードの方がおすすめですが、アメックスのプラチナ・カードには、ヒルトンアメックスカードにはないベネフィットが満載です。
人によっては、アメックスのプラチナ・カードとヒルトンアメックスカードの2枚持ちをしている人もいるので、ライフスタイルによっては2枚持ちを検討しても良いかもしれません。
ぜひ、ヒルトンアメックスカードを保有して、ヒルトン・ポートフォリオのホテルやリゾートでホテルライフをお得に楽しみましょう!