どうも甘パパです。
私は、株主優待タダ取りを頻繁に利用しています。株主優待タダ取りの手法は、「つなぎ売り」とか「クロス取引」などと呼ばれています。
タダ取りといっても完全に無料というわけではなく、株を購入するための手数料は必要です。そのため、手数料だけで株主優待を取得できるということになります。
手順通りに「つなぎ売り」を行えば、リスクを限りなくゼロに近い状態で株主優待を取得できますが、優待タダ取り中(既に証券を保有している場合)に、保有銘柄の企業が倒産してしまったり、証券会社のシステムトラブルで売買できなくなってしまうなどのリスクはあります。あくまでリスク低減であって完全にゼロになるわけではありません。
ここでは楽天証券を使った「つなぎ売り(クロス取引)」の方法について解説します。
楽天証券で「つなぎ売り」するための準備
楽天証券の口座を開設する
まずは、楽天証券の口座を開く必要があります。証券会社の中には「つなぎ売り」ができない証券会社もありますが楽天証券では「つなぎ売り」可能です。
株主優待をタダ取りするには、信用取引を利用します。信用取引は、証券会社から資金又は証券を借りて売買を行う取引です。
信用取引を行うには、保証金を預託する必要があります。最低保証金は30万円です。保証金が30万円を下回っている場合には、新規に注文できません。
そのためまずは30万円以上の現金を用意する必要があります。
建玉がある状態で法定最低保証金である30万円を下回った場合は、追証となり翌々営業日の15:30までに30万円の額を上回るよう入金する必要があります。
信用取引を行うには、通常の証券口座に加えて信用取引口座が必要になります。開設には、証券会社の審査があります。金融資産が少なかったり、株取引歴が浅いと開設できない場合があります。
口座の開設に費用は一切かかりません。無料で開設できます。
楽天銀行の口座を開設する
必須ではありませんが、楽天銀行の口座を開設することをおすすめします。
楽天証券と楽天銀行を連携させることによってマネーブリッジを利用できます。マネーブリッジを利用すれば自動入出金や金利の優遇サービスなどの特典をうけられます。
楽天銀行の詳細については以下の記事で解説しています。
楽天証券をメインで利用するなら、絶対に開設しておきましょう。
つなぎ売りの手順を解説(楽天証券の画像付き)
ここでは、実際に「東武鉄道(9001)」の株主優待をタダ取りする方法を例に解説していきます。東武鉄道の株主優待は、東武動物公園の入園チケットなどがもらえます。
東武鉄道の権利確定日は3月末と9月末です。優待は9月末なら200株、3月末なら100株の保有でもらえます。3月末なら100株の保有でもらえるので3月末の権利確定日に取得するのがお得です。
東武鉄道の株主優待については以下の記事で解説しています。
つなぎ売りの手順は以下の通りです。1と2の順番は逆でもOKです。
- 権利付き最終日の寄付き前に一般信用短期(14日)売建を「成行」で注文
- 権利付き最終日の寄付き前に現物買いを「成行」で注文
- 権利落ち日に現渡する
- 権利確定日に株主として権利が確定する
今月はいつから注文可能なの?権利付き最終日と権利落ち日は?などのスケジュールについては、以下の記事で確認できます。
実際に楽天証券の画面を例に「つなぎ売り」の手順を見ていきます。
1.楽天証券にログイン後、国内株式タブを選択します。
2.国内株式トップに遷移したら、信用注文をクリックし新規注文を選択します。
3.信用取引(新規注文)画面に遷移したら一般信用売建銘柄をクリックします。
4.弁済期限に14日を選択します。検索条件の「銘柄名・銘柄コード」を選択し、銘柄名または銘柄コードを入力します。最後に表示ボタンを押すと指定銘柄が表示されます。その後一覧に表示された取引列の新規ボタンを選択します。
※一覧を見たい場合は検索条件に「指定しない」を選択し、表示するボタンを押してください。並び順も指定できます。
5.以下の図の通り指定し、最後に「注文内容を確認する」ボタンを選択します。
※購入する株の数量(③の箇所)は、優待を取得するために必要な株数を指定してください。
例)東武鉄道の場合3月末は100株、9月末は200株を指定します。
そのため初心者は、19時~翌朝8時の時間帯に注文しましょう。一般信用の在庫は19時に更新されます。19時~翌朝8時の間の注文であれば、取引時間外なので万が一誤発注しても即座に約定されないので安心です。
6.注文内容を確認後、「注文」ボタンをクリックします。
※売買が売建(14日)、信用区分が一般であること、銘柄名、数量が正しいことを確認してください。
※間違いがある場合は「戻る」ボタンをクリックして修正してください。
7.注文の受付が完了したことを確認します。約定するまでの間であれば、取消や訂正も可能です。次に同銘柄の株を現物でも購入します。現物取引を選択します。
8.現物取引(買い注文)の画面に遷移したら、銘柄名・銘柄コードを入力して検索ボタンを押してください。
9.以下の図の通り指定し、最後に「注文内容を確認する」ボタンを選択します。
※購入する株の数量(②の箇所)は、優待を取得するために必要な株数を指定してください。
例)東武鉄道の場合3月末は100株、9月末は200株を指定します。
10.注文内容を確認後、「注文」ボタンをクリックします。
※取引が買いであること、銘柄名、数量が正しいことを確認してください。
※間違いがある場合は「戻る」ボタンをクリックして修正してください。
11.注文の受付が完了したことを確認します。約定するまでの間であれば、取消や訂正も可能です。これで注文処理は完了になります。あとは翌営業日の9時以降に注文した銘柄が約定していることを確認します。
12.翌営業日の9時以降に現物で注文していた銘柄が約定しているかを以下の手順で確認します。
13.同様に以下の手順で一般信用売りで注文していた銘柄が約定しているかを確認します。
14.現物と信用の両方で約定していることを確認出来たら、あとは権利落ち日に現渡するだけです。現渡とは、証券会社から借りた株式を同じ銘柄・同じ株数の保有株式で返済する取引です。手数料は無料です。
15.【権利落ち日以降の作業】以下の手順で「現渡」ボタンをクリックします。
16.以下の手順で「確認」ボタンをクリックします。
※②の全現渡にチェックを入れると、現渡数量に自動的に数量が設定されます。
17.注文内容を確認後、「注文」ボタンをクリックします。
※取引が現渡であること、銘柄名、数量が正しいことを確認してください。
※間違いがある場合は「戻る」ボタンをクリックして修正してください。
18.現渡注文の受け付けが完了したら作業終了です。
※7:30~15:00までの間に注文すると即約定します。それ以外の時間帯であれば予約になります。
あとは株主優待が届くのを待つだけです。
楽天証券の手数料
株主優待を取得するためには、各種手数料がかかります。手数料が株主優待の価値を上回ってしまうと元も子もありません。ここでは、楽天証券の各種手数料について確認します。
おさらいすると、株主優待タダ取り(つなぎ売り)するには一般信用売りと現物買いを利用します。現物買いの手数料は単純です。以下の手数料しかかかりません。すべて税込金額です。
現物取引の手数料一覧
超割コース (1注文の約定代金) ※手数料1%をポイントバック | いちにち定額コース (1日の約定代金合計額) ※現物も信用も両方含みます | ||
---|---|---|---|
5万円まで | 55円 | 100万円まで | 0円 |
10万円まで | 99円 | ||
20万円まで | 115円 | 200万円まで | 2,200円 |
50万円まで | 275円 | ||
100万円まで | 535円 | ||
150万円まで | 640円 | ||
300万円まで | 3,300円 | ||
3,000万円まで | 1,013円 | 以降100万円 増えるごとに | 1,100円 追加 |
3,000万円超 | 1,070円 |
次に信用売りの手数料を見ていきます。信用売りには制度信用と一般信用があります。「つなぎ売り」で利用するのは一般信用ですが、逆日歩のリスクを問題視しないのであれば制度信用でも「つなぎ売り」は可能です。
制度信用と一般信用の手数料は同じですが、貸株料はそれぞれ違います。
まずは手数料を確認します。いちにち定額コースは現物も信用も共通なので同じです。超割コースのみ現物と違います。楽天証券での信用取引の手数料は以下の通りです。
信用取引の手数料一覧
超割コース (1注文の約定代金) ※手数料1%をポイントバック | いちにち定額コース (1日の約定代金合計額) ※現物も信用も両方含みます | ||
---|---|---|---|
10万円まで | 99円 | 100万円まで | 0円 |
20万円まで | 148円 | ||
50万円まで | 198円 | ||
50万円超 | 385円 | ||
200万円まで | 2,200円 | ||
300万円まで | 3,300円 | ||
以降100万円 増えるごとに | 1,100円 追加 |
次に信用取引(売建)の貸株料と逆日歩の有無を確認します。貸株料は証券会社から借りた株券にかかるレンタル料です。
制度信用 | 一般信用 | |||
---|---|---|---|---|
信用取引の貸株料 ※年率 | 1.10% | 無期限 | 短期 (14日) | いちにち 信用 |
1.10% | 3.90% | 0.00% | ||
逆日歩(品貸料)の有無 | 必要 | 不要 |
実際に東武鉄道の株主優待取得にかかった手数料は何円だったのか確認してみます。
1株3,160円の銘柄を現物買と信用売(一般)のそれぞれで100株(約定代金は316,000円)注文しました。信用売は、3月27日に売建てて3月28日に現渡しているので貸株料が2日分かかります。現渡しの手数料は無料です。取引はすべて超割コースを利用しています。
最終的に東武鉄道の株主優待取得にかかった手数料は以下の通りになります。
手数料の名称 | 発生手数料 |
---|---|
現物取引の手数料 | 275円 ※現物取引の超割コース50万円までに該当 |
信用取引の手数料 | 198円 ※信用取引の超割コース50万円までに該当 |
信用取引の貸株料 | 67円 (316,000円 × 3.90% ÷ 365日 × 2日) |
配当落ち調整金 | 0円 ※最終的に還付されるので0円とします |
逆日歩(品貸料) | 0円 |
手数料合計 | 540円 (275円 + 198円 + 67円) |
東武鉄道から頂ける株主優待では、様々な特典をうけられるので単純に損益を出せませんが、今回私が取得した理由は家族で「東武動物公園」に行きたいからです。
東武鉄道の株主優待では、東武動物公園の入園無料券が3枚もらえます。東武動物公園の入園料は大人1,800円、こども(3才以上)800円なので家族3人で行くと4,400円かかります。
最終的な損益は以下の通りです。
今回は手数料を差し引いたとしても最低3,860円分相当の利益を得ることができます。他にも東武線内であれば使用区間に制限なく利用できる株主優待乗車証(回数券式)が2枚もらえたり、東武博物館の入館無料券が5枚、東京スカイツリーの天望デッキ(350m)の当日券30%割引券が5枚など利用する予定があれば、さらに利益率はアップします。
まとめ
株主優待のタダ取りは、やり方さえ覚えると簡単です。
楽天証券に限らず他の証券会社も画面は違いますが、考え方は同じです。
ぜひ「つなぎ売り」をマスターして株主優待をタダでGETしてください。